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2021/5/22

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2021年5月26日~30日に第15回公演『れる』を上演する劇団5454(ランドリー)。

2020年には8周年を迎え、新たに窪田道聡と及川詩乃が劇団員となった。

新作『れる』は、この新劇団員の2人が主軸の物語だそう。

春陽さんを交えた3人へのインタビューと稽古場レポートに加え、

コロナ禍で中止・延期をしてきたなか、今回上演を決断された思いを

新たにインタビューした全3回でお送りします。

インタビュアーと写真は仲 俊光(なか としみつ)です。

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​3

劇団5454作品のつくりかた。

ーー

お客さんとしてよく観ていた窪田さんにとってのランドリー作品の魅力って何ですか?

 

窪田

演劇って当たりばかりじゃないんですよね。

 

ーー

Twitterを拝見しててもかなりの数を観に行ってらっしゃいますよね。

 

春陽

この2人はすごい観てますよ。

 

窪田

ランドリー作品はハズレがないのがすごいです。

毎回おもしろいなって思うし、たのしめる演劇をつくりますよね。日常を違う角度から見られるようになる感覚。

(目の前のカフェラテを手に取り)このカフェラテを自分で頼んでるつもりになってたけど、待てよ!これ頼まされてるんじゃないか?って日常を疑える感覚。

 

ーー

その感覚わかります!

 

窪田

日常をちがう角度で捉えられる、、、

 

春陽

自分の言葉みたいに言ってるけど、それホームページに書いてるからね。

 

一同 (笑)

 

春陽

そういう作品をつくろうとがんばってるから。

 

一同 (笑)

 

春陽

お客さんじゃなくて劇団員になってみて

これが日常に新たな視点を与える秘訣なんだなってあったら教えてほしいんだけど。

 

窪田

漁介(春陽さん)のこだわりだと思う。

 

春陽

おれこだわりなくない?

 

窪田

あるよ!「これでいっちゃうか」っていうのはない。

 

春陽

それはないね。

 

窪田

きっとどんなものでも楽しくはつくれるんですよ。

 

春陽

お仕事ものなんか絶対たのしくつくれたもんね。

 

窪田

こう書いてもおもしろいんだけど、もっとおもしろい道があるはず。っていう

あらゆる道をギリギリまで考えてるとこじゃないですか。

自分が考え及んでない域があるかもしれないから、ワードだけでもいいから何か刺激くれっていう。

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エチュードを見守る春陽さん。気になったワードなどをメモしていく。

ーー

キッカケを探してるんですね。

 

窪田

それを劇団員全員で出し合って一言でも当たれば

「なるほど!それあるね!」みたいな。

 

春陽

あぁあるね。

 

窪田

それがランドリー作品がたのしく観られる秘訣じゃないかなって思います。

 

春陽

最初から台本が上手くいくときは、むしろ怖いんですよ。

 

窪田

そうなの(笑)

 

春陽

やたらとまとまりすぎてないか?大丈夫か?ってなります。

もっと道はないかっていつも探してるのに

疑いもなくこの道進んでるけど大丈夫か?って。

 

一同 (笑)

 

春陽

戻るなら今の内じゃない?って気持ちになるんですよ。

 

一同 (笑)

 

春陽

だから劇団じゃないとぼくは作れないですね。

お客さんにこれを届けるんだってものを見つけるには

劇団じゃないとむずかしい部分がありますね。

 

窪田

あとさ、劇団員にもおもしろいと思えるものを提供してるよね?

 

春陽

それはそう。

まず劇団員に話しておもしろいねってならなかったら

お客さんもおもしろくならないと思うんですよね。

 

窪田

(セリフとメロディが融合した)ポエトリーリーディングは『好き』からだっけ?

 

春陽

そうそう。厳密に言えば初演の『トランスイマー』でやってるけどね。

 

窪田

そうなんだ。あのポエトリーリーディングはすごいよね!

 

春陽

物語の都合の良さを排除したいんですけど、それだと驚きを出しづらくて。

でも、なぜこうなるのかってことが舞台上にないのは許せない。

そういう自我と物語を飛躍させる技術の間をとって

ポエトリーリーディングをはじめたんです。

 

窪田

そういうこだわりがすごい強くて。

 

春陽

そうなの?

 

窪田

この間の稽古でも、ここで誰が出てくるかって話してた時

「ルールがないといやだ」って言うんですよ。

 

及川

あ〜。

 

窪田

それお客さんも気にしないと思うけどなぁって。

 

春陽

気にしないとは思うんだけどいやなの。

例えば回想シーンで、舞台上にこの人数しかいないから

他の役の人を出すっていうのは演劇の制限を感じさせちゃうことになるし

物語上では意味がなくても深層心理的に意味を持ってしまうと思う、、、

 

(窪田さん、いいとおもうけどなぁの顔)

 

春陽

(笑)役者たちからしたら「いいだろ」っていう気持ちになるんでしょうけど。

 

窪田

たぶん後々効いてくるんでしょうね。

 

春陽

効いてくるんですよ、絶対!

お客さんの無意識を甘くみてはいけないですよね。

おもしろいけど何かハマらない。でおわっちゃうから。

この「何か」っていう無意識をちゃんと意識してつくらないとお客さんに届かないだろうなって。これは一生の課題ですね。

 

ーー

貴重なお話ありがとうございました。

(インタビューを終え、稽古場へと移動します

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稽古場。和気あいあいとした雰囲気の劇団5454のみなさん。

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さまざまな組み合わせでエチュードを行い、微修正を繰り返していく。

たのしいやりとりや核心をついたセリフが次々と飛び出してくる。

前回のインタビュで言っていた劇団5454作品のつくりかただ。

「みんなおもしろいんで」この言葉の説得力を直に感じていた。

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「それは日常から離れちゃいそうけど大丈夫?」「こっちのスタンスの方が良くない?」などのディスカッションが行われディティールを詰めていく。

この作業を繰り返し、涙に対する考察を深め、物語に落とし込んでいくのだろう。

(おわります)

チケットなど『溢れる』の情報は劇団5454公式サイトでご覧いただけます。

http://5454.tokyo/stage/afureru.html

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1.

2.

3.

1.は2021年5月に、

2.3.は当初の公演予定(2021年1月)に向けて2020年末に取材したものです

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