2020/12/12

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演劇サロンプロジェクトなど

観劇者の立場から小劇場演劇を盛り上げたいと

活動なさっているどんぐりマミーさん。

あるとき「演劇の話がしたい」というツイートを見かけ、

それならば!とインタビューさせていただきました。

小劇場との出会いから、いま感じていることなど

マミーさんのふかーい小劇場愛。

全5回にわたってどうぞお楽しみください!

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小劇場のれきし(かんたんver.)

ーマミーさんは今、お笑いと同じように小劇場演劇も「第7世代」だっておっしゃってるんですよね。そのお話の前に、そもそも第1世代は?とか現在地にたどり着くまでの歴史を簡単にお話いただいてもいいでしょうか?

どんぐりマミー

はい、本当に簡単にですがこんな感じでしょうか。

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どんぐりマミー

能楽の源流と云われる散楽があり、観阿弥世阿弥の登場で能が完成、出雲の阿国のかぶき踊から歌舞伎が生まれ、

歌舞伎に対抗するかたちで新派、その新派や歌舞伎に対抗するように、またこの頃に西欧の近代的な演劇の影響も受け、社会運動として新劇が生まれる、と。

「旧劇=歌舞伎」に対しての「新劇」で、商業主義批判、芸術志向が強くなります。新劇で代表的な劇団は、俳優座、文学座、民藝でしょうか。

ーその時の西欧の近代劇ってどういうものでしょうか?

 

どんぐりマミー

イプセンとかチェーホフとかですよね。

人間の苦悩とか社会の矛盾とか、本質を捉えたいと追求しているのがテーマという感じでしょうか。

 

ーなるほど。個人的にはそもそも古代ギリシャ時代の演劇は病院や教会の役目を兼ねていた。という話がとても好きです。その時代には病院の中に劇場があって、「医者を悩ます前にまず劇場へ行け」という言葉もあるみたいで。観劇するとモヤモヤしていた気持ちが昇華されてスッキリする感じ、そのルーツなんだなと思います。

 

どんぐりマミー

そうですよね、そういう効果も観劇にはありますよね。

そして、新劇に対抗するかたちでアングラが生まれる。新劇が排除した土俗的なものを復権させ、かつ実験的なこころみでそれまでの定型を壊して、独特の世界を作り上げる。アングラ四天王と呼ばれる唐十郎さん、寺山修司さん、鈴木忠志さん、佐藤信さんの他に蜷川幸雄さん、串田和美さんなどを含めて小劇場演劇の第1世代ですね。

 

ーそしてこの世代の公演のポスターは横尾忠則さんや宇野亜喜良さんらが手掛けていたという…すごい時代ですよね。社会運動としての演劇ですから、観る人も思想に賛同している人が観に行く、と。なので新劇観に行く人はアングラを観ない、と分かれていたようですね。

 

どんぐりマミー

そうですね、でもそれが第2世代のつかこうへいさんの登場で、演劇をエンターテイメントとして楽しむ、若い観客の層を開拓してぐいっと大きく方向を変えることになり、第3世代の爆発的な小劇場ブームにつながるんですよね。

 

ー当時はチケット入手するのに徹夜組もいたとか。野田秀樹さんの夢の遊民社や鴻上商史さんの第三舞台は数万人動員していたんですよね?このブームはマミーさんは実際体験なさってますか?

 

どんぐりマミー

はい、第3世代の後半と第4世代はリアルタイムで体験もしているし、ベースになっていると思いますね。それとは別に大学時代に唐十郎さんの作品を観て「演劇ってすごいおもしろいんだ!」って、唐十郎さんが演劇にはまるきっかけでした。

 

ーそうだったんですね!

どんぐりマミー

わたし卒論が「80年代小劇場演劇の状況」というテーマだったんですよ。日本文学専攻だったんですけど、そんなに勉強してなかったんで三島由紀夫とか研究しろって言われても困ったんですよ。で、得意なことをやろうと思って、このテーマで書きます!って言ったら日本文学の教授が誰も引き受けてくれなくて(笑)。

結局、英米文学のニール・サイモンとか英米の戯曲の授業をやっていた教授が引き受けてくれたんですけど、口頭で発表する場で英米文学の教授と、日本文学の教授で意見が真っ向対立してモメましたね~(笑)。そんなわけで80年代の小劇場演劇は相当勉強してます。

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ー卒論で取り上げるくらい…。そこから子育ての時期で離れて、また観始めたのはいつ頃でしたか?

 

どんぐりマミー

2011年の11月ぐらいですね。当時ハイタッチお見送り会というものを初めて体験して。。すごい衝撃でしたね!今でも覚えてる(笑)こ~れは、ハマるだろうな!って。

あと、うちは息子の反抗期がひどかったんですよ。。物凄い言いようを家でされているのに、劇場に行くとあんまり年も変わらないような子達が、「ありがとうございました!」とか「また来てください!」とか笑顔で言ってくれて。。

もう〜、一気に掴まれましたね!

ー(爆笑)独特なエピソードですね!それはたまらなかったと思います(笑)では第4世代についてはいかがですか?

どんぐりマミー

はい、第4世代では平田オリザさんの「静かな演劇」も重要な基点だと思います。

それまで非日常が舞台だったものを生活圏に舞台を移して、リアルなトーンで発声するとか、同時多発会話とか、いま私たちが“小劇場演劇”と言ってイメージする作風のベースになっていると思います。

一方で、キャラメルボックスや関西には劇団☆新感線がいたり、現在の多様性のベースができた時期では?と思います。

ーだいたい10年で1世代という流れできているので、ちょうど2020年~の10年くらいが第7世代にあたる。ということですね。

どんぐりマミー

そうです。いまの小劇場演劇は本当に潤沢だなと思いますよ!いままでの世代の潮流を引き継いだ方向性が各々残っているから、本当に多様性があるなって。

10年に一度くらいのペースでなにか新しい方法を発見し、世代をつないでいくイメージがあるんですが、今は第3世代の野田さんの身体性に特化した言葉遊びのお芝居みたいな系統もあればキャラメルボックスみたいな新劇の流れも汲みつつ分かりやすいのもあれば…

という潮流が一番多くあるのが今だろうし、これからなんだろうなって。

だから私は今とっても小劇場演劇がおもしろいと思います!

ーなるほど。10年に一度の発見の一番最近のものはなんだと思いますか?

どんぐりマミー

なんだろう、2,5次元じゃないですかね。

小劇場でもたとえばレティクル東京座は、小劇場演劇に2,5次元のエッセンスをうまく混ぜていて私はすごく好きです。そうやって世代の毛色ができていくんでしょうかね。

(つづきます)
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