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2020/06/08

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このインタビューは本来、2020年5月20日から公演予定だった『嫌い』のことを伺うためのものでした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため公演中止を発表したことで頓挫しました。

劇団5454はステージチャンネルに数多くの作品を登録していただいており作品を観るたびに聞きたいことが溢れてきたので「気になることを聞いちゃおう!」と思いZoomでのインタビューを決行しました。インタビュアーは仲 俊光(なか としみつ)です。

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(劇団5454のロゴをZoomの背景にしたときの春陽さん)

春陽漁介(しゅんようりょうすけ)

劇団5454主宰。劇作家。演出家。

1987年6月2日生まれ。

第19回日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補

CoRich舞台芸術まつり!2019春

制作賞、最多口コミ賞、主演の板橋廉平が演技賞 受賞

第1回

第2回

第3回

第4回

第5回

第6回

もくじ

第3回

ドラマチックな出会い。

最近はプロデュース公演という形をとる劇団も多いですが、春陽さんは劇団を持つということに価値を感じていらっしゃいますか?

 

春陽

めちゃめちゃ価値感じますね!

それはやっぱり自分たちの創作を長きに渡って作り続けられるっていう。

6年7年経ってやっと、劇団5454がどういう作品を作る劇団なのか分かってきたぐらいなんですよ。

 

得意な作風、苦手な作風、世の中に響く作品を探るっていうのは簡単なものじゃないんですよ。

これを探るためには劇団で何年も、ああでもないこうでもない。今の時代に劇団5454は、こういうものを作るべきなんじゃないのか。

という試行錯誤を続けるというのは、すごく意味のあることだなと思いますし、劇団だからこそ、ぼくは劇作家と演出家が続けられるとも思っています。

劇団作ってなかったら、とっくに辞めてると思いますね。

劇団5454の前の四方八方(ふぉー・ほー・やっほー)は劇団ではないんですね?

 

春陽

プロデュースユニットですね。

四方八方は大学生の時に作ったんですけど、ぼくの周りにも大学生の同期とお芝居をする人は多かったんですよ。

で、大学生の同期でお芝居を作るって楽しいんですけど、その関係性で劇団を作るのはめちゃめちゃ危険だなと思って。

 

将来的に演劇をやるかわからないし、学校でのキャラクターと稽古場でのキャラクターと、お芝居を作るテンションとが乖離しないので、足並みがズレていくっていう確信があったんですよ。

 

なのでその時は「自分と”今”足並みが合う人」と一緒に芝居を作りつづけるっていうことが

たぶん一番自分にとって成長になるだろうなと思ってプロデュースチームにしたんですよ。

 

その後、2012年に劇団5454を旗揚げするんですね。

 

春陽

四方八方の時は役者がメインで、途中から作演出をし始めたんです。で、自分が劇作家として本気で成長しようと思ったら、積み上げていける環境が必要だと思って劇団にしました。

 

春陽さんが今後、出演されたりはしないんですか?

 

春陽

、、、、出たいんですけど(笑)

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みんなの芝居を見てたらやりたくなって、稽古場では芝居したりもするんですけど。

出ないのには、2つ理由があって、

ぼくは控え選手なんですよ。降板がでた時にぼくが入ればいいと思ってるんですよ。

女性役の場合どうすんだって話もあるんですけど、でもやりようはあると思っていて

役者って代わりがいないじゃないですか?代役ってそう簡単じゃないから。

でもぼくは過去に芝居をやっていたし、もし欠員が出たときに自分が出れば早いと思っていて。

だから自分も一応全部の役を演じられるように読んだりはしてますね。

みんなには言ってないですけど(笑)

「あ、あいつ出る準備してんだ」って思われるのも恥ずかしいんで言ったことないですけど。

 

(笑)

 

春陽

あとはぼく、脚本を書くのが遅いので。

単純に自分が出てたらクオリティが下がるっていう理由もあります。演出に倍の時間がかかっちゃうっていう効率の問題ですね。

 

もともと演劇をやろうと思ってたんですか?

 

春陽

高校生二年生くらいの頃に興味を持ちましたね。

ちっちゃい頃はスポーツしかやってなかったんですよ。幼稚園からサッカーやってて、小学生から野球をやり始めて高校生で野球の強い学校に入って、そこでは丸坊主にする必要があったんですけど

仮入部したときに、前髪が1cmぐらい伸びてたんですよ。

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そしたら先輩から激怒されて、そういう世界で生きていきたくないなって思って。

別に丸坊主にすることは苦じゃないけど、1cmちょっと伸びてただけでブチギレるような空間にいたくないと思って野球部を辞めて、

できる限り弱い部活に入って楽しくやろうと思ってバレー部に入ったんですよ。

 

もともと膝が悪かったんですけどバレー部で悪化してしまって、休んでる期間に芝居を観に行ったんですよ。はじめて。

母親の友達に小劇場の役者が多かったので「誘われたから行く?」って言われて行ったんです。

その誘ってくれた役者は、いつも遊びに来てて悪ふざけしてる面白いお兄ちゃんだったんですけど芝居の時カッコよかったんですよ。

その役者が、高野アツシオなんですけど。

 

えっ?!何ですかそのドラマチックな、、、

 

春陽

それがキッカケで芝居に興味を持ちはじめて、アツシオさんがよくお世話になってた劇団天然工房、YouTuberの瀬戸弘司さんがいる劇団なんですけど、、、

 

YouTuberの瀬戸弘司さん?

※調べてみたら登録者数150万人以上の超人気YouTuberでした。

https://www.youtube.com/channel/UCFBjsYvwX7kWUjQoW7GcJ5A

 

春陽

その劇団天然工房のワークショップに高校生の頃、毎月のように通っててすごい楽しくて、そこで色々学んでから事務所の養成所に入って

養成所ではじめて舞台を踏むという流れで演劇をはじめました。

アツシオさんとはすごい長いお付き合いなんですね。

春陽

たぶんぼくが小学生中学生の時からの付き合いだと思いますね。

 

そんなに。

 

春陽

20年以上知ってることになるのかな。

 

『カタロゴス〜「青」についての短編集〜』を観に行った時に、演劇ならではの演出が魅力的だなと思ったんですけど脚本とか演出は、どのように学んだんですか?

 

春陽

ぼくの師匠がイキウメの前川さんなんですよ。

イキウメは転換がすごい早くて、

それを観るまでは暗転して場面を変えるか1シチュエーションしかないと思ってたのが、こういう風に時間軸を変えられるんだっていうものを目の当たりにした。っていうのが一番の影響でしたね。

 

なるほど。

 

春陽

イキウメ観たことある演劇人はめちゃめちゃ多いと思うのであの場面転換を目の当たりにしてるし、、、

言ったら、映画や漫画のカット割りで時間と場所が変わってるというのも

みんな触れてる訳じゃないですか。

なのに演劇では転換や時間の飛ばし方があまりないのは不思議だなと思ってます。逆に。

劇団5454の場合はホントに一瞬で変わりますよね。

『カタロゴス〜「青」についての短編集〜』の中の『ビギナー♀』小黒さんがパンッってポーズをとって日にちが切り替わる映像がまだ頭に焼き付いてます。

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(『ビギナー♀』の一場面を必死に再現)

春陽

(笑)パワープレイでしたね。あれは。

 

あの小黒さんの笑顔と決まってるポーズと照明で場面が変わって何日も経過するのが

とても印象に残ってます。

 

春陽

あれは小黒の勢いと、その後の虚無っていうのが良い場面転換でしたね(笑)。

 

(笑)

(まだまだ聞きたい「場面転換と演出を支えるスタッフ陣」につづきます。) 
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